全国内水面漁業協同組合連合会
奥日光湯の湖・湯川


第60回全国内水面漁業振興大会報告




  第60回全国内水面漁業振興大会を、10月18日に秋田県秋田市「アトリオン音楽ホール」において開催しました。本大会は、秋田県内水面漁連の担当により、〜きれいなかわ おさかなにこにこ みずきらきら〜(第16回全国川づくり標語コンクールの最優秀作品)をスローガンとして約520人が参加しました。

  秋田県内水面漁連の菊地 勇副会長理事が開会を宣言し、全内の南山金光会長代理より主催者挨拶、秋田県内水面漁連の湊屋啓二会長代理より開催担当挨拶、来賓として、秋田県の佐竹敬久知事、秋田県議会副議長、水産庁の保科正樹増殖推進部長、国土交通省水管理・国土保全局長(奥田晃久河川環境保全調整官代読)、環境省水・大気環境局長(渡邊康正水環境課長代読)の皆様からご祝辞をいただいたほか、多くのご来賓にご出席をいただきました。

 来賓及び執行部紹介の後、議長団として秋田県内水面漁連の湊屋会長代理、青森県内水面漁連の野月 誠会長、宮城県内水面漁連の佐藤仁一会長の3名が選出されました。前年度議案の処理報告に続いて、全国5つのブロックから提出された7議案については、2つの議案で追加修正を加えることとなりましたが、すべての議案が採択されました(修正内容については、理事会で承認後にお知らせいたします)。

 秋田県内水面漁連の伊藤敏彦理事による大会宣言が満場一致で採択された後、同県内水面漁連の宮野 和秀理事の閉会の辞により盛会のうちに閉幕となりました。

 会場では、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 内水面研究センターによる「飛ぶ鳥には飛び道具!ドローンを使ったカワウ被害対策」、秋田県水産振興センターによる「友釣りで良く釣れるアユの放流技術開発」、NPO法人秋田水生生物保全協会による「あきたの川や湖にすむ生きもの」など、内水面に関する研究成果等のパネルが複数展示され、参加者の関心を集めていました。

 大会終了後は、会場を秋田キャッスルホテル移し、全内の南山会長代理、秋田県内水面漁連の湊屋会長代理、内水面漁業振興議員連盟副幹事長の片山さつき参議院議員の挨拶に続き、(一社)大日本水産会の重 義行専務理事の乾杯により、賑やかに懇親会が開催されました。

 次年度は、奈良県で開催する予定です。


◆◆◆ 提 出 議 案 ◆◆◆

議案の1
福島第一原子力発電所事故と震災に係る内水面漁業への支援について −東北・北海道ブロック(福島県)−
福島県内水面漁業協同組合連合会 代表理事会長 佐川 泉

【提案の趣旨】

  東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故が発生してから既に6年半が経過したが、未だ河川及び河川敷等水辺の除染が行われる見込みも無く、漁場へ立ち入ることも震災の復旧も出来ず、漁業活動を休止に追い込まれ、見通しの立たない漁協が増え続けている中、漁業活動が休止された漁場では、カワウが我が物顔で漁業権魚種を捕食して被害が増加しており、駆除も出来ないため、周辺の漁場へもカワウの被害が波及しており、また、県外から飛来したカワウの被害も併せて増加している。

 更に、原因者である東京電力(株)との賠償交渉は、内水面漁協の主張と隔たりがあって、誠意を持った回答が得られず、交渉だけが長く続いている。

 これらのことから、除染も含めた内水面漁場の早期復旧と、漁業活動が出来てカワウの被害をなくすための、持続性のある体制支援、並びに地域の復興と発展に寄与している漁協及び県内水面漁連の存続を支援するために、次の項目を国と全内漁連や関係機関に対して強く要望する。

 漁業活動ができない内水面漁場では、河川環境は荒廃し、カワウや外来魚が繁殖してその数を増やし、県内外の各地へ被害が拡大していることから、河川環境の復旧やカワウ対策の強化を重ねて要望する。

【説 明】

 福島第一原子力発電所の事故は未だ終息しておらず、漁場である川や湖は荒廃して漁業環境は悪化し続けている。さらには東京電力(株)との賠償交渉も一向に進展せず話合いが難航している。また、県内水面漁連については、主要収入である賦課金や、種苗斡旋手数料の減少により厳しい運営を迫られ、新たな事業展開もできないでいる。

 このような状況下にあって漁協等の活動休止が長引くことで、漁協の維持が困難になり解散も検討せざるを得ない漁協もある事や、カワウの生息数の拡大が被害に拍車をかけている。そこで、健全な河川生態系の維持とカワウの被害防止に係る対策強化について関係機関に要望する。

議案の2

大雨・洪水災害に伴う災害復旧工事における河川に優しい川づくりについて −東北・北海道ブロック(岩手県)−
岩手県内水面漁業協同組合連合会 専務理事 五日市 周三

【提案の趣旨】

 近年、国内各地で激甚災害規模の水害が数多く発生しており、復旧工事に当たっては、内水面漁協の意向を反映するよう要望してきたところである。

 これまでも河川環境保全に対する国の支援については、本大会に議案が提出され国等へ要望を繰り返してきたところであり、関係省庁においては、環境保全に対する取り組みを強化してきているものの、残念ながら内水面漁業関係者の意向が十分に工事に反映されず、河川工事等への浸透は遅れていると言わざるを得ない。

 内水面漁業の振興に関する法律の制定を機会に、河川工事の実施に当たっては、漁場環境の再生及び水産資源の回復を図るため、内水面漁業関係者と協議の上で河川環境の保全を図るよう、国及び関係機関に強く要望する。

【説 明】

 岩手県において、平成28年8月30日に台風第10号が統計史上初めて東北地方に上陸するという災害が発生し、本県沿岸地域は甚大な被害を受け、河川は氾濫し、橋梁・道路復旧などを含め河川改修工事等が数多く実施されている。

 こうした中において、本県で最も流程の大きい閉伊川においては、200ヶ所を超える復旧工事が進められているが、岩手河川国道事務所では地元漁協の強い要望に応える形で、工事による濁りを最小限に抑え、また、河川の土留等において石詰めカゴを用いて魚類の生息場所を確保するなど、「魚に優しい川づくり」を進めている。

 その結果、今年のアユ漁は、洪水による河川環境の悪化や多くの箇所での災害復旧工事などから、釣果は期待できないと考えられたが、この予想を覆し、型の良いアユが多く育ち、組合員及び遊漁者を喜ばせている。

 このような閉伊川の復旧工事の事例は、今後の河川工事の方向を示すものであり、このような工事の手法は、不断に全ての工事関係者に浸透させていくことが重要である。

 毎年のように大雨・洪水による河川の復旧工事が頻発する中、しっかりとしたマニュアルを作成して、「魚に優しい川づくり」について指導を徹底することを要望する。

議案の3

土砂堆積による河床の平坦化対策及び魚道維持管理とゲリラ豪雨などの災害に対応する漁場環境保全事業予算の確保について −中央ブロック(東京都、新潟県)−
東京都内水面漁業協同組合連合会 監事 須賀 一雄

【提案の趣旨】

 河川には多くの横断工作物が設置され、その工作物付近には土砂が堆積し、河床の平坦化による漁場の荒廃を招いている。

 また、その河川横断工作物には、魚道が設置されているが、維持管理に関する予算措置がされていないため、結果として魚類が河川を自由に移動することが困難な状況となっている。

 さらに、近年多発するゲリラ豪雨は、想定を超える増水により河川環境を大規模に破壊しているが、復旧作業は長期に渡るうえに生物への配慮がなされず、漁場環境が回復しない。

 内水面漁業の振興に関する法律では、魚道の整備及びその適切な維持管理と、自然との共生及び環境との調和に配慮した河川整備の推進に努めると定めている。また、「内水面漁業振興議員連盟決議書」においても、内水面漁業振興のために漁場環境の改善と必要な予算の確保を国及び関係機関に強く要望している。よって、漁場環境保全に係る関係予算の充実を求める。

【説 明】

 主要な内水面漁場である河川は、漁業者とって増殖等の漁業生産の場であると同時に、大都市近郊の人々が身近に自然と触れ合うことのできる憩いの場として、重要な役割を果たしている。

 しかし多くの河川では、上流域・中流域に土砂が堆積し、淵や大石の点在する漁場の多くが失われ、特に各所に設置された堰等河川横断工作物付近では、完全に河床が平坦化している状態で、カワウなどの食害から身を守ることもできず、極端な言い方をすれば放流した魚の棲む場所もないという状態となっている。

 また、堰等には魚道が設置されているが、その維持管理に係る予算が確保されていないため、結果として魚道の機能が十分に発揮されず、魚類等が自由に移動できない状況になっている。

 さらに、最近のゲリラ豪雨対策として河川の水路化と治水強化が進められ、魚の棲める漁場環境が失われている。
ついては、「内水面漁業の振興に関する法律」と「内水面漁業振興議員連盟決議書」に明記された、生物生産等自然本来の多機能性が発揮できるように、漁場環境の改善を図るために必要な事業予算を十分に確保するとともに、治水上許される範囲での堆積土砂撤去を要望する。
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(参考文書)                   内水面漁業振興議員連盟 決議

 日本の多くの川で、魚が減少している。川や田園環境の水辺で、魚の生息環境が失われ隠れる場が無くなった水域で、カワウや外来魚による食害が、魚類の減少に追い打ちを掛けている。

 この状況が今後も続くならば、アユやウナギ・サクラマス・ナマズ・フナ・ドジョウなど多くの魚が姿を消し、川の生態系が崩れて、多くの魚種が希少種に位置づけられる日が来ることもあるのではないかと考える。

 平成26年6月に「内水面漁業の振興に関する法律」が施行された。これに基づいて国の基本方針が示され、都道府県においても振興計画が策定されつつある。法に掲げた「協議会」の理念を尊重し、関係者間の十分な協議及び協力の下、多くの生き物が生息できる河川環境を創出できるよう望む。

 川は、治水と利水を推進するために姿を変えてきた。国民の生命と財産を守ることは必須である。さらに、豊かな自然の恩恵を継承するため、生き物が繁殖し天敵や洪水から待避できる場の設置や、魚が川を遡上し安全に下ることのできる流れの連続性を確保して、川本来の姿を再生することが今求められている。

 ついては、以下のとおり要望する。
一、 身近な魚が飛び跳ね、豊かな川の恵みを国民が享受することが今後も継続できるよう、川を始めとした水辺本来の姿を残せる河川や農業水路の整備を進めるとともに、豊かな川を育む森林、山里の涵養に努めること、また、カワウや外来魚対策、またウナギ生息環境の整備に係る十分な予算を確保すること。

一、 河川改修等の工事の実施においては、計画時から完成後の維持管理に至るまでの各段階において、アユやウナギ等の水産資源の生息環境を修復・保全するための方策について柔軟に検討するよう努め、かつ適正に評価するよう努力すること。また河川が、防災・減災や生物生産等自然本来の多機能性を発揮できるよう事業予算を十分に確保すること。

平成29年3月30日
内水面漁業振興議員連盟
会長 竹下 亘
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議案の4

アユの魚病対策について −東海ブロック(岐阜県)−
岐阜県漁業協同組合連合会 理事 岩垣 康司

【提案の趣旨】

 内水面漁業の概ねをなすアユ漁業について、アユの魚病対策の要望は平成9年の大会より幾度となく取り上げられてはいるが、依然としてアユ冷水病の被害を受けているとともに、近年ではエドワジエラ・イクタルリ感染症等のリスクも高まって来ている状況にある。アユ冷水病ワクチンの実用化は難しいと聞いてはいるが、万全な対策の実現と技術普及、及びエドワジエラ・イクタルリ感染症等の発症予防手法の確立を要望する。

 今後において、内水面漁業を継続するためには、これらの疾病対策を確立させなければならない。国においては、このことを念頭に、河川等における対策を早急に確立させて現場に指導するよう求める。



【説 明】

 現在、河川でのアユ漁業に大きな被害を与えている疾病は、アユ冷水病及びエドワジエラ・イクタルリ感染症である。
 特に冷水病については、アユ増殖の成否を左右する大きい問題として本県の各漁協に広く認識されているが、その実施可能な対策は、冷水病陰性の人工種苗や加温処理された琵琶湖産種苗を放流したり遊漁者に対してオトリアユを持ち込まないよう啓蒙するくらいしかない。そのため根本的解決には至っておらず、6月〜7月にかけて県下の主要漁場において毎年発生が見られる。

 本県での冷水病による種苗被害額は、平成21年から平成28年までの8年間で(報告があった4〜6漁協のみの合計)合計が37,830,100円にのぼり、被害額不明の漁協分も合わせると更に大きな額になると見込まれる。また冷水病の発生によりアユの活性が落ちることで、友釣りでの漁獲減少や遊漁者数の減少が起きており漁協経営に大きな影響を与えていると予想される。

 養殖環境下で冷水病が発生した場合は、投薬や加温処理により治療が可能であるが、自然河川で発生した場合は対応策がなく、水温の上昇等による自然治癒を待つしかないのが現状であり、過去にも有効な対策としてアユ冷水病ワクチンの実用化を要望してきたところである。しかし、いまだに実用化されていない状況にあり、ワクチン開発の一層の迅速化と新たな対策技術の開発を図り、早期の実現を要望する次第である。

 また、地球温暖化の影響等もあって夏季から秋季にかけても高水温が続く状況にあり、エドワジエラ・イクタルリ感染症が発症する傾向にあるので、発症予防手法の確立を要望する。

議案の5

水辺での釣り等レジャー活動を振興するための対策について −近畿・北陸ブロック(京都府)−
京都府内水面漁業協同組合連合会 副会長理事 下畑 寛蔵

【提案の趣旨】

 内水面漁協は、組合員からの賦課金や遊漁者からの遊漁料等をもとに、水産資源の増殖や漁場環境の保全・管理等を通じて、釣り場や自然体験活動の場等を国民に提供している。しかしながら、遊漁者からの遊漁料収入は、少子高齢化に向かう社会の構造変化の影響を強く受けるとともに、レジャーの多様化などにより河川における釣りなどは振るわず、減少の一途にある。

 このような状況において、全国の内水面漁連、漁協では、内水面漁業の振興のため、釣りの講習会、体験会など、広く啓発普及する取組も行っているが、必ずしも十分な成果が得られない現状にある。こうした活動が効果的かつ円滑に実施できるよう、以下について要望する。

1.国民が気軽に河川での釣り等のレジャーを楽しむことができるよう、漁場である川岸にたどり着けるよう、河川敷を駐車場として利用できるようにするとともに、休憩施設やトイレを整備すること

2.漁協が、IT技術等を活用して効率的に、河川の状況や釣りにかかる情報発信や遊漁券販売ができるよう支援すること

3.川への関心を高めるため、国土交通省が定めている、七月七日の「川の日」を国民の休日とすること


【説 明】

 河川を訪れる遊漁者等を増やすための対策は、豊かな川づくりが大前提であるが、その他の対策も総合的に講じる必要がある。

 特に、河川に釣り等のレジャーに来る者は、周辺の駐車場、道路路肩などに駐車することが多い。しかし、都市部周辺では、駐車する場がない、料金が高い、河川敷への車の進入は禁止されること等から、気軽にレジャーを楽しむことができない。

 そこで、釣シーズン、土日など条件を付け、河川敷を駐車場として利用できるようにすることが必要である。また、女性の来訪者を増やそうとする場合には、トイレの設置や休憩施設が必要となるが、放置ゴミなどの問題もあり、漁協単独で設置・維持管理することは困難である。

  さらに、現在、多くの娯楽はインターネットなどIT化されており、入場券などはスマホ等を通して購入されている。しかしながら、内水面漁協では規模が零細なこともあり、自身のホームページ等を通じて、河川の状況や釣りにかかる情報発信を行うことも満足できるものは少ない。技術が進歩してゆく中で、零細な漁協が取り残されており、今後、こうした漁協が行う普及促進活動への支援が課題となっている。

議案の6

外来生物等の対策について −近畿・北陸ブロック(兵庫県)−
兵庫県内水面漁業協同組合連合会 理事 吉田 忠弘

【提案の趣旨】

 環境省が進める外来生物等の対策について、内水面水産資源の保護や内水面漁業の振興の観点から、以下の事項について要望する。

1.オオクチ・コクチバスやチャネルキャットフィッシュなどの特定外来生物やアリゲーターガーなどの漁業被害を与える外来種の根絶や、カシナガなどの森林被害を引き起こし土砂崩れの原因ともなる陸上昆虫対策が実現されるよう、対策予算の拡充と水産庁、林野庁等とも連携して実効的な取組を行うこと。

2.ニジマスなど内水面漁業上重要な魚種に関しては、行き過ぎた対策が行われないよう当該魚種の重要性や内水面漁業に対する影響について十分に配慮すること。

【説 明】

 外来生物対策について、国では、平成22年10月に開催された、生物多様性条約第10回締約国会議で採択された「2020年までに侵略的外来種とその定着経路を特定し、優先度の高い種を制御・根絶すること」等を掲げた愛知目標を踏まえ、平成27年に公表された「外来種被害防止行動計画」に基づく対策を進めている。

 これにより、近い将来、内水面漁業者が強く求めてきたオオクチ・コクチバスやアリゲーターガーなどの外来魚の根絶が実現されるよう大いに期待したい。

 来年には、懸案であったアリゲーターガー等が特定外来生物に指定される予定になっているが、バス類も含め、すでに放流されたものに対する具体的な対策については未だに十分でない感が強くあることから、積極的な対策を国等に要望する。

  一方で、同計画には「産業指定外来種」や「国内由来の外来種」、「同種の生物導入による遺伝的攪乱」など、場合によっては内水面漁業の振興上、好ましくない結果を招く可能性のある問題も多数含んでいる。現在、水産庁でニジマス等の「産業管理外来種の管理指針」の策定が進められており、その内容は、内水面漁業に十分配慮されたものになっている。しかしながら、水産庁以外の関係機関が行う対策には、同様の配慮があるとは限らず、極端に走ることが多い昨今の国内世論の状況を考えると、今後、内水面漁協が「放流事業が遺伝的攪乱を招いている」等として内水面漁業が矢面に立たされかねないことを懸念している。

議案の7

カワウの生息数調査のさらなる実施について −四国・九州ブロック(福岡県)−
福岡県内水面漁業協同組合連合会 参事 佐々木 和之

【提案の趣旨】

 福岡県では、元々漁業権が設定されていない一級河川の遠賀川を始め、漁協の解散に伴い漁業権が解除された河川が存在し、近年それらの水域においてもカワウの生息が多数確認されるようになってきている。

 このため、漁場内で漁業被害を与えているカワウを駆除しても、常に区域外から供給され、数年後に半減させる目標には達しない可能性が大きい。

 各都道府県内において、カワウの駆除効果を的確に把握し、被害対策を総合的に推進するためには、何をさておいても、県内におけるカワウの全体の生息数及び被害状況を適切に把握することは不可欠である。しかしながら、水産部局及び内水面漁業者だけでは、マンパワー、予算、野生動物に関する知見のいずれも不足しており、特に生息にかかる概数等の情報の把握は困難である。

 ついては、カワウ被害対策の更なる推進のため、水産部局以外の関係機関においてねぐら・コロニー調査をしっかりと実施するとともに、当該調査結果について内水面漁業関係者とも情報共有をされるよう強く要望する。

【説 明】

 内水面漁協では、国の指導の下で平成35年度までに被害を与えるカワウの数を半減させるべく駆除活動を行っている。しかし、漁業権が設定されていない河川や漁協が解散して、漁場として管理されていない水域に多くのカワウが飛来し、労力が及ばないために駆除ができない水域が広がっている。

 漁場区域以外で育ったカワウが漁場に飛来することから、駆除対策の効果が発揮されずにカワウによる魚食被害が減っていない。

 全国一斉に対策を進めている関係上、国が予算と労力を確保して、漁場区域外でも対策を講じることができるよう、対策の強化を要望する。

◆◆◆ 大 会 宣 言 ◆◆◆

 平成29年4月に変更された国の水産基本計画では、平成26年に制定された「内水面漁業の振興に関する法律」を踏まえ、「水産に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策」に「内水面漁業・養殖業」の項目が初めて設けられ、内水面漁業・養殖業の果たしている役割、機能や課題等を整理し、以下の3点を施策の方向性として明記している。

 1.内水面資源の増大を図ること

 2.漁場環境の保全・管理のための活動の核として内水面漁業協同組合が持続的に活動できるようにすること

 3.遊漁や川辺での自然との触れ合いが促進され、水産物の販売や農業・観光業との連携による地域振興が進展すること
 
 そして、関係府省、地方公共団体及び内水面漁協が連携し、必要な施策を総合的に推進していくこととされている。

 内水面漁業・養殖業は、水産物の供給の機能及び多面的機能を有しており、国民生活の安定向上及び自然環境の保全に重要な役割を果たしている。

 しかし近年では、生物に適した水辺環境の消失、カワウや外来魚による食害、冷水病をはじめとした疾病への対応、漁業者の高齢化と後継者不足に加え、東日本大震災に伴う放射性物質の汚染問題、ゲリラ豪雨等の局地的自然災害の発生、種苗の生産経費高騰や釣り人の減少も相まって、組合運営は厳しさを増している。

 将来にわたって国民が内水面漁業の恵沢を享受することができるように、関係府省、地方公共団体に連携を求めるとともに、内水面漁業者も尽力することをここに宣言する。


平成29年10月18日
第60回全国内水面漁業振興大会



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