第66回全国内水面漁業振興大会を、令和7年10月7日石川県金沢市の「石川県立音楽堂邦楽ホール」において開催しました。
〜川の音聞くとなぜだか思い出す じいじのえがお やさしい声〜(第24回全国川づくり標語コンクールの最優秀作品)をスローガンとして438人が参加しました。
全内の滑川幸男副会長理事が開会を宣言し、谷公一代表理事会長の主催者挨拶、石川県内漁連の八田伸一代表理事会長より開催担当挨拶を行いました。
来賓として、地元選出の佐々木紀衆議院議員、西田昭二衆議院議員、宮本周司参議院議員、石川県の馳浩知事、石川県の安居知世議会議長、水産庁増殖推進部の福島一部長、国土交通省水管理・国土保全局長(河川環境課の島本和仁課長代読)、環境省水・大気環境局長(環境管理課の𠮷川圭子課長代読)の皆様からご祝辞をいただいたほか、多くのご来賓にご出席をいただきました。
来賓及び執行部紹介の後、議長団として富山県内漁連の東秀一代表理事会長、奈良県漁連の堀谷正吾副会長理事、和歌山県内漁連の川口恭弘代表理事会長の3名が選出されました。
前年度議案の処理報告に続いて、全国6つのブロックから提出された7議案の発表があり、全会一致で採択されました。その後、各議案に対して各省庁からコメントを頂き、石川県内漁連の河西秀晃理事による大会宣言が満場一致で採択されました。全内の渡部完副会長理事が閉会を宣言したあと、石川県内漁連の一二三秀仁理事が復興支援へのお礼とアトラクションの説明を行い、石川県輪島市に伝わる伝統芸能の御陣乗太鼓が披露され、盛会のうちに閉幕となりました。
会場では、石川県と国立研究開発法人水産研究・教育機構による内水面に関する研究成果等のパネルと石川県指定の伝統工芸品である加賀毛針でつくられた雉の額装が展示され、参加者の関心を集めていました。
大会終了後、ANAクラウンプラザホテル金沢で懇親交流会が開催されました。金沢素囃子の演舞披露のあと、全内の谷公一代表理事会長、石川県内漁連の八田伸一代表理事会長の挨拶に続き、片山さつき参議院議員(内水面議連副幹事長)、田畑裕明(内水面議連事務局次長)、西田昭二衆議院議員、宮本周司参議院議員から来賓の挨拶を頂きました。続いて、金沢市の村山卓市長の乾杯のご発声により懇親会が進行されました。
懇親会中盤の舞台では金沢風雅が演舞され、舞台上では懇親会参加者が太鼓を体験したり、金沢芸妓が懇親会の座席を回って記念撮影したりと賑やかに進行され、石川県内漁連の一二三秀仁理事が中締めの挨拶を行い閉会となりました。
次年度は、全内が担当し、東京都で開催する予定です。
議案の1
内水面漁業協同組合の組織活性化について
東北・北海道ブロック(宮城県)
宮城県内水面漁業協同組合連合会
代表監事 高橋 義雄
【提案の趣旨】
内水面漁協の現状を踏まえたうえで、組織を更に活性化させるひとつの方策として、保護区の設定と全国漁場行使制度や全国共通遊漁券の導入を提案するものです。
議案の2
コクチバス違法放流への対処について
中央ブロック(山梨県)
山梨県漁業協同組合連合会
参事 大浜 秀規
【提案の趣旨】
コクチバスの違法放流で現行犯が逮捕されたことはなく、また何時、何処で、誰が行ったか分からないため、告発された事例もない。ただし、違法放流によるコクチバス生息域拡大を防止するためには、これを摘発することが効果的と考えられる。このため違反者を処罰できる可能性が低いにしろ、コクチバスが新たな水域で発見された場合、関係機関は法律に基づく適切な対処を行うべきである。
議案の3
カワウ等に起因する雑魚減少への対策について
東海ブロック(愛知県、三重県)
愛知県内水面漁業協同組合連合会
参事 大竹 一弘
【提案の趣旨】
以下の事項を要望し、関連各機関に強く働き掛けを進めていただきたく存じます。
1.河川域において、雑魚等を含む生物相の状態を調査・集約し、現時点での河川域における生物相の把握を行うこと。
2.河川生物を減らす要因となっている事項を取り纏め、夫々の事項についてどのような対策が取られ、今後どのように対策していくべきかを法制化等により示すこと。
3.特に減少量が多いことが推察される雑魚等の生物を養殖・放流することにより、生物相が貧弱となっている河川について生物相の改善を進めること。
議案の4
国によるカワウ個体数の管理の徹底について
近畿・北陸ブロック(福井県)
福井県内水面漁業協同組合連合会
代表理事会長 此下 美千雄
【提案の趣旨】
内水面漁業に被害を与えるカワウの個体数が増加の一途となっている。カワウは都道府県を跨いで広域に移動していることから、国が個体数を管理し被害を与える個体数が確実に減少する施策を強化して欲しい。また、捕獲、駆除に必要となる銃を持つには高額な費用が必要となることから、財政的な支援の強化を求めます。
議案の5
ブルーカーボンの推進を助長する河川環境保全の強化について
近畿・北陸ブロック(福井県)
福井県内水面漁業協同組合連合会
代表理事会長 此下 美千雄
【提案の趣旨】
ブルーカーボンを推進するために、沿岸域の藻場を保全することは重要な施策となっている。
しかし、近年は藻場等に、河川から大量の土砂や枯草、ゴミ等の廃棄物が流入、堆積することが多く、海藻の繁殖に影響を与えている。
このため、河川における浚渫や清掃活動は藻場へのマイナス要因を軽減し、ブルーカーボン推進に非常に有効であると考えられるので、国等による大規模な浚渫の計画的な実施や河川清掃等の生態系保全予算の拡充を要望する。
議案の6
自然増殖を増やすための人工産卵場の整備について
中国ブロック(島根県)
島根県 神戸川漁業協同組合
参事 松尾 治幸
【提案の趣旨】
河川環境を改善し、自然増殖を増やす人工産卵場として整備することは、「経済的・コスト的」なメリットとその地域に適した遺伝子を持つ個体群による「生態系の健全性」を得ることができます。
今後も沢山の河川改修や横断施設の建設が行われると思いますが、このような状況を踏まえると河川整備基本方針並びに河川改修計画実施要領の中に「自然増殖を増やすための人工産卵場」建設・整備を明記し、設計の中に織り込んでもらう事を要望します。
議案の7
広域連携カワウ・外来魚被害防止対策事業の定額化について
四国・九州ブロック(福岡県)
福岡県内水面漁業協同組合連合会
参事 M田 弘之
【提案の趣旨】
取組の公益性を踏まえ、広域連携カワウ・外来魚被害防止対策事業の定額化を要望します。