「2015湯川リバークリーンと懇談会」実施報告
平成27年10月4日(日)


 自然環境を守るために、湯川で釣りを楽しんだことに感謝して毎年10 月の第1 土曜日に行っていた「湯川リバークリーンと懇談会」を日曜日に変更して実施しました。

 今回は昨年の懇談会で日曜日に変更の提案があり、10 月4 日に開催した所、昨年より多くの方が集まりました。この清掃活動は、15 年前から釣り人の有志が自主的に集まり、始めた活動です。

 平成25年度から、「奥日光豊かな水辺づくり協議会」として国の補助事業を活用し、湯川の清掃活動を行うことになりました。

 「奥日光豊かな水辺づくり協議会」は、水産多面的機能発揮対策事業に係る活動組織で、「全内漁連日光支所」と「湯の湖・中禅寺湖をきれいにする会」を構成員として、平成25 年8 月30日に設立され、水産多面的機能発揮対策事業を通じて、湯川及び湯の湖の地域資源の維持、及び回復を図るとともに、より多くの方々に普及啓発することを目的として活動しています。


〔湯川清掃活動〕
 今年は天気が良く、木々が紅葉する中で、無事に実施することができました。

参加者は、釣り人を中心に、増養殖研究所、全内漁連で22 名が集まりました。午前8:50に赤沼茶屋駐車場に集合し、湯川の上流側と下流側の2 班に分かれ、釣魚期間中に木の枝に絡んだ釣り糸や釣り針の回収と清掃を行いました。主にビニール袋や帽子、ハンカチ、サンダルなどの落し物が多く、回収量は合わせて 9.72 kgに達し、重量は昨年の18.8 kgに対し約半分でした。

分別結果

可燃ゴミ
6.34Kg
ペットボトル・カン
1.00Kg
不燃物
2.38Kg
合計
9.72Kg



〔懇談会〕
 増養殖研究所の協力を得て、セミナー室にて湯川の釣りに関すること、また自然環境について、調査に関することなどを話し合う、意見交換会を行いました。


調査報告
 増養殖研究所の坪井研究員から、湯川に関する調査結果の報告をしていただき、春に行った湯川資源調査での年ごとの資源量などの変化について説明がありました。

 また、キャッチ&リリースについて、色々な面から科学的に調査した結果についても報告があり、皆さん興味深く聞いていました。その後も質問が殺到するなど、釣り人にはとてもためになる研究報告でした。


意見交換会
 研究についての成果で、「魚に針を飲み込まれた場合は、無理に針を外さないで、糸を切って放流した方が生き残る率が高い」といった話しや、水生昆虫の分布状況を研究所と釣り人が協同で出来ないかなどの話し合いがありました。

今後の要望で、トイレの設置、年間釣魚券の導入、バーブレスフックの推進などが上げられました。

 また、昨年釣り人にも設置協力して頂いた、湯川沿いの踏み荒らしの防止をする為の杭やロープの維持管理する話など、より良い釣り場づくりをするための意見交換が行われました。


過去の懇談会で出された要望に対する対応
・湯川沿いの裸地化防止については、釣り人等関係者の協力を得て、踏み荒らしの防止をする為に杭100 本やロープ全長128 mの資材搬入と設置をし、18 カ所の保護柵が完成しました。

・増養殖研究所 内水面研究部と全内漁連で湯川沿いの自然ガイドを対象に、湯川でのカワマスの産卵と生態や湯川の釣りの歴史についての講習会を行い、釣り人の清掃活動や湿原踏み荒らし防止柵設置への協力について紹介しました。

・ブルックの産卵状況をホームページで知らせてほしいという要望については、ホームページのフィールド情報に掲載をしました。

・湯の湖からの大型マスが降下することを避けてほしいという要望については魚類流下防止ネットを、湯の湖湖尻に通年設置したことで降下を減少させることに努めました。

・トイレの設置要望については、関係機関の集まる会議で要望を伝えていますが、実現には至っていないので、今後も要望を継続していきます。

 今後、自然環境に配慮した湯川でのより良い釣り場づくりのために、できるだけ要望に応えられるよう努めていますので、湯川リバークリーンや懇談会へ多くの方に参加していただき、ご協力をお願いいたします。


カワマス放流記念碑前にて集合写真撮影
 皆さまのご協力をもって、無事に開催することができました。
 清掃活動と懇談会での貴重なご意見、誠にありがとうございました。

全国内水面漁業協同組合連合会
日光支所長  遠藤 祐二



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